秩父の霊峰とマインドフルネス・ワーケーション
「マインドフルネス」という言葉をご存じでしょうか。
禅宗の瞑想に起源を持つとされる概念で、「今この瞬間」に意識を向けることで、ストレスの軽減や集中力アップを図るものです。
埼玉県東部に位置する秩父三山(三峯山、両神山、武甲山)は、古くから山岳信仰の対象とされてきました。山岳信仰における「登拝(御神徳を拝しながら登山すること)」は、「マインドフルネス」の概念に通じるものがあります。無心に山に向かう前者と、雑念を捨てて「今の瞬間」に意識を向ける後者は、本質的に同じ行為だからです。修験の道場として名高い三峯神社でのワーケーションは、集中力やメンタルヘルスを高める絶好の機会となるでしょう。
1. 関東屈指のパワースポット三峯神社
ワーケーションの舞台となるのは三峯神社。日本武尊(やまとたけるのみこと)がこの国の平和と人々の幸せを祈り、国生みの神・伊弉諾尊 (いざなぎのみこと)と伊弉册尊(いざなみのみこと)をお祀りしたのが始まりです。秩父でも奥深い標高約1,100mの地にあり、東京からの所要時間は約3時間。
極彩色の拝殿の前には2本の神木が立っています。樹齢は800年とも言われ、拝殿前から見上げると、まるで木々に護られているような錯覚を覚えます。神の使い(神様の霊力を受け、神様と同じ働きをするとして仰がれる動物)は「オオカミ」とされ、境内の至るところに祀られています。
2. 秩父の自然に囲まれてリモートワーク
滞在は神社に隣接する興雲閣。三峯神社の宿坊として、古くは僧侶や参拝者が身を清めるための施設として利用されてきました。旅館のように快適な宿泊施設で、ワーケーション期間中はWi-Fi環境が構築され、リモートワークが可能です。東南側の窓からは和名倉山などの美しい山並み、北西に面した部屋からは秩父盆地を望めます。オフィスとは異なる澄んだ空気に触れることで、新鮮なアイデアが生まれるでしょう。
マイナスイオンに満ちた早朝の杜の散歩は「爽快」の一言。気候条件が合えば雲海を、夜は満点の星空を眺められます。また興雲閣には、三峯山麓から湧き出す温泉「三峯神の湯」があります。弱アルカリ性の泉質は美容効果が期待でき、女性にもおすすめです。
3. 妙法ケ岳・雲取山への登拝プログラム
トレッキングは「アクティブ瞑想」と言われるほど、マインドフルネスに高い親和性を持っています。三峯神社の奥宮である妙法ケ岳への登拝は片道1時間程度のライトなトレッキングですが、古くは修験者が通った道です。
三峯神社から数分歩くだけで観光地の賑わいが遠のき、厳かな雰囲気が漂います。この神聖な道を踏みしめながら、普段は意識していない自分の呼吸や筋肉の動き、足の裏の感触、肌に触れる風などに集中してみてください。短い登山ながら、心地よい達成感があります。澄んだ空気の中でいただくコーヒーも格別。もっと山を満喫したい方には、「日本百名山」にも数えられる東京都の最高峰・雲取山への登拝をお勧めします。山小屋泊を含めて1日半の行程となります。
4. 爽快!電動アシスト付き
マウンテンバイク(e-Bike)
秩父エリアはジオパークに指定され、三峯神社のある荒川・大滝エリアにも「秩父トーナル岩と鉱山跡」や「浦山ダム」などがジオサイト(見どころ)として設定されています。これらを電動アシスト付きマウンテンバイク(e-Bike)でめぐるアクティビティです。
澄み切った空気の中、峠道をe-Bikeで下るのは爽快感満点!電動アシストにより、山道も楽に登れます。道中では雄大な山々、秋には美しい紅葉を眺めたり、秩父の自然を全身で感じられます。サイクリングもアクティブ瞑想に適しているので、無心にペダルを漕いでみてください。
5. 地域の方々との交流
ワーケーションの魅力の一つは、地域の方々との交流。例えば秩父で林業を営む移住者のお話は、持続可能な森林経営を目的とした「伐(き)らない林業」「伐(き)る林業」の実情からワイナリーの構想まで、興味深いトピックばかり。魅力的な方々との対話から、新しいアイデアにつながるヒントが得られるかもしれません。
古来より日本では、神像や仏像を彫り出すことで祈りや修行に打ち込む習わしがありました。三峯に隣接する栃本エリアは、林業の地。木材を丸太から削り出し、自分だけの箸づくりができます。無心に木を削る行為は、マインドフルネスそのもの。
ワーケーションの魅力である地域の食事も楽しめます。例えば、人気が高まりつつあるジビエ料理。鹿肉を使ったハンバーグなどのバーベキューは会話も弾み、コミュニケーションが深まります。秩父エリアはワイン、ウイスキー、日本酒、ビール、焼酎など様々なお酒が造られている酒処でもあります。
6. マインドフルネスを高める
アクティビティ
ほかにもマインドフルネスを高める様々なプログラムがあります。関東随一のパワースポットで早朝に行うヨガは、ほかに無い体験。三峯の朝の澄んだ空気を体に取り込み、心身をリフレッシュさせましょう。自らの呼吸と向き合い、体をほぐしながら瞑想することで、心の安定とやすらぎを得られます。
1時間以上かけて一心に文字を書き写す「浄書体験」も、頭のリフレッシュに最適です。神道では、神の御前に臨む前に、祝詞を書き写して心身を清める習わしがあります。祝詞は神を祀り、神に祈る言霊のこもった言葉です。一言一句と向き合いながら無心に書き進めることで、自然と集中力が高まります。
拝殿にて主祭神である伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉册尊(いざなみのみこと)に祈りを捧げます。神の使いとされるオオカミはあらゆるものを祓い清め、様々な災いを除くと言われています。神前で邪念を払うことで、平心の我を取り戻しましょう。
秩父の名産である「そば打ち」の体験も。ていねいな指導のもと、そば粉の練りから、のし、切りまでを行います。粉をこねて丸めて打ち付け、徐々に麺にしていく過程も、無心になれるひととき。出来上がったそばは、もちろんその場でいただけます。
三峯神社でのワーケーションは、秩父の豊かな自然を体全体で味わい、マインドフルネスを高める体験ができます。クリエイティブな発想が求められる職種や、チームビルディングを重視する企業におすすめのプログラムです。
【こんな企業におすすめ】
- クリエイティブに新鮮なアイデアが欲しい
- チームビルディングに取り組みたい
- 大自然の中でリフレッシュしたい