ユニバーサルツーリズム(課題解決型)の取り組み

その他企業との連携

様々な企業との連携により、企業の商品やサービスの新しい価値創造を目指します。要介護の方や障がいがある方々の旅(外出)の不安を取り除く旅行プログラムを企画実施しています。

事例紹介

例1本田技研工業株式会社×KNT首都圏で実施する視覚障がい自動車運転ツアー

実施内容

近畿日本ツーリスト首都圏が企画実施している「視覚障がい者 夢の自動車運転体験ツアー」は、四国お遍路ツアーにご参加いただいていた視覚障がいがあるお客様から「一生に1度でいいから、自分でクルマを運転してみたい」という願いを、約5年間掛けて計画を練り上げ実現に至りました。2010年11月にスタートして以来、毎年実施され、今では年3回の定期開催をしています。(ツインリンクもてぎでの実施は、2012年以降)

現在のツインリンクもてぎでのツアーは、本田技研工業株式会社様(以下、ホンダ様)が行なう安全運転普及活動の一環としても実施しています。ホンダ様は1970年に安全運転普及本部を立ち上げ、「人への安全訴求」「より安全な商品づくり」「安全情報の提供」という3つの柱で“事故ゼロのモビティ社会”を目指して活動を続けています。日本全国に7カ所の交通教育センターや、海外でも36カ国で「Honda Driving School」「Honda MotorCycle School」「親子でバイクを楽しむ会」などの交通安全活動を展開しています。

技術による社会貢献という点では、1976年に足の不自由な人がクルマを運転するための「ホンダ・テックマチック・システム」を開発。1982年には手が不自由な人がクルマを運転するための装置「ホンダ・フランツ・システム」を開発。さらに障がい者に働く機会を提供する「ホンダ太陽」を1981年に設立し、2014年には車いすレーサーを開発。そして2015年には「ホンダ歩行アシスト」を発表しました。今後はこういった取り組みを融合、進化させていくとのことです。

運転講習会は、2日間に渡って開催。直線走行だけでなく、急ブレーキや急カーブでの走行などを、指定されたコース内で、インストラクターの指示のもと行われます。参加者の皆様は、一様に緊張された面持ちですが、窓ガラスを開けて風を感じながら気持ちよく運転体験をされます。

連携企業様の思い
視覚障がいがある方々が安心して街中を散策できるような取り組みも積極的に推進していきたいと考えています。今回の取り組みは、視覚障がいがある方々が、運転手の立場を理解していただくことで、より安全に外出や旅行を楽しめる社会づくりに貢献できればと考えています。
担当者の声
自動車運転体験ツアーは、当時、視覚障がいがあるお客様を対象にしたツアー企画を担当していた渕山(当時はクラブツーリズム)が、お客様との何気ない会話の中での「お客様の夢」を、5年間の年月をかけて実現しましたものです。視覚障がいがあるお客様にとって価値ある経験として長年ご好評いただいている人気旅行商品です。

2010年11月より実施

例2UDトークを活用した聴覚障がい者への情報保障のあり方を考えるツアー

実施内容

UDトークアプリを活用して、手話以外の「旅行中の情報保障」を行なうことを目的に活動しています。海外では、WiFiが繋がらない箇所もあるため、手話通訳者が補助的に同行しています。最終的には、同行するスタッフが手話が出来なくてもスムーズに観光案内ができるようにして、一般のツアーにも導入していけたらと考えています。現在のツアーでは、通常の観光以外に、海外の聴覚障がい者団体や施設を訪問して交流するプログラムも組み込んでいます。

連携企業様の思い
UDトークアプリを開発している企業様も私たちの活動にご賛同いただいています。このアプリを活用して、聴覚障がいがある方々の旅が一層充実したものになるように、旅先で参加者の皆さんにご意見をいただきながら、ご案内方法の品質の向上を目指しています。今後、音声認識のレベルが更に向上するので、案内する側の負担を軽減できると考えています。
担当者の声
聴覚障がい者の旅行というと、手話通訳者が同行して観光ガイドや添乗員の案内を手話で案内することが多かったですが、今後は、一般のツアーでも音声認識アプリ(UDトーク)を活用して情報保障をご提供できる仕組みが出来ないかを検証しています。旅を通した、共生社会の実現に向けて、聴覚障がいがある方の旅の選択肢を、更に広げていきたいと考えています。

2010年11月より実施